Mellow Flowのバックカントリー入門第三回目は、バックカントリーの危険についてです。
まず始めに、ビギナー向けの記事としての結論を書いてしまうならば、ビギナーがバックカントリーに立ち入る際には、必ずガイド(もしくは周りにいるエキスパート)と共に行動するべきです。バックカントリーは、人工的に管理されているエリアではありませんので、そこには“スキー場”にはない様々な危険が潜んでいます。ガイドは、知識と経験を持たないビギナーが、様々な危険が潜むバックカントリーでリスクを回避して行動するための有効な手段です。
ただし、ガイドと共に行動するにしてもバックカントリーを楽しみたいのであれば危険がどのようなものかを自身で知っていることはとても重要です。ここではあくまでもさわりだけになってはしまいますが、バックカントリーの危険について紹介します。
1.道迷い、怪我、滑落等
こういったことの回避は、山で行動する際の基本となります。ただし、基本と言いつつ本当に頻繁に起きている事故です。
道迷いには、そのエリアの地理を知らずに安易に他人のトラックを追って入山したビギナーがそのまま遭難するような事故から、地形も地図も頭に入っているエキスパートが、天候の急変でホワイトアウトして自分の位置が判らなくなるような事故まで、いろいろなケースがありえます。
また、バックカントリーで怪我をして動けなるのは致命的です。スキー場と違い、担架やボートをもってスノーモービルで迎えにきてくれるパトロールはいません。当日の下山すらできなくなるかもしれません。
2.雪崩
雪崩は、たとえサイズが小さかったとしても人の命を奪う可能性があります。バックカントリーで行動する人は、常に雪崩を意識しなければいけません。
少し難しいこと(専門的な講習会にいくと、真っ先に教えられることですが)を言うならば、雪崩の危険(ハザード)の要素は、雪崩地形、不安定な積雪、人的要因です。この3つの要素が同時に作用することで、人が雪崩に巻き込まれるのです。つまり、雪崩事故のほとんどが、この3つの要因を揃えてしまったという選択の結果であり、雪崩事故のほとんどのケースがリスクであると言えるのです。
という風に書くと、初めて聞く人にはなんだか難しいですね・・。もう少し噛み砕いてみます。雪崩が起きやすい斜度の斜面(雪崩地形)があるとします。そこに、弱層とスラブが広範囲にわたり存在している(不安定な積雪)とします。仮にこの斜面にSKIerが滑り込みターンし、破断するのに十分な負荷を与えてしまった(人的要因)とします。これで3つの要因が揃いました。破断したスラブが滑走に十分な斜度を持つ雪崩地形を滑り始め、雪崩が発生して一瞬のうちにSKIerは埋没しました。こうして、このSKIerは危険(リスク)にさらされたわけですが、もし各要素の分析をしていたら、この日はより安全と考えられる斜面を滑り降りていたでしょうし、雪崩を起こすこともなかったはずです。(実際に事故が起きたら“もし”は無いんでしょうけどね・・)
この例は、理解のためにあまりにも単純化していますので、これを読んで、「リスク回避は簡単そうだ」という誤解はしないでください。実際のケースは遥かに複雑です。ここで最低限理解していただきたいのは、雪崩のリスクを回避するためには、専門的な知識と経験を元に要素毎に様々な分析をする必要があるということと、その分析をきっちりとすることで実際にリスクの回避が可能だということです。経験と知識を身に着けるのは一朝一夕の話ではないので、ここではこれ以上踏み込んだことは書きませんが、セルフレスキューを含む雪崩のお勉強については、講習会等を利用して正しく学ばれることをお勧めします。
いずれにしても、もしあなたがバックカントリーに立ち入ろうと思うのであれば、まず初めに安全に行動する方法を考えてください。繰り返しになりますが、ビギナーにとってその有効な手段は、ガイド、もしくはエキスパートの先輩と一緒に行動することです。ちなみに、ガイドを利用するのは別にビギナーだけではありません。私は自分のホームエリアでは何シーズンも過ごしているのである程度知識を持っていますが、トリップに出るときはそのトリップ先のエリアの情報はあまり持っていませんので、現地のガイドを雇うことも多いです。それがベストの斜面を当てるためにも、リスクを回避するためにも、最善な方法だからです。
いずれにしても、ここに書いたことはほんの断片的な情報です。今後、いろいろな本を読んだり、講習会に参加したりして、できるだけ多くの情報を得てください。そして、知識と経験を少しずつ積み重ねてください!
